酸化還元電位(ORP)とは

酸化させる力と還元させる力の差を電位差で表した数値のことです。この数値がプラスなら酸化力が高く、マイナスなら還元力に優れていることを表します。

一般に、還元力が大きいほど「活性酸素」の還元力が強く作用し身体に良いといわれますが、その数値も大きすぎると良いとはいえないようです。

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酸化還元電位(ORP{Oxidation Reduction Potential})とは、酸化させる力と還元させる力の差を電位差で表した数値のことです。『酸化』とは電子を失う化学反応のことで、具体的には物質に酸素が化合する反応、あるいは物質が水素を奪われる反応などのことです。『還元』とは電子を受け取る化学反応のことで、具体的には物質から酸素が奪われる反応、あるいは物質が水素と化合する反応などのことです。

酸化力が高い、または還元力が高いという能力を示す単位に「酸化還元電位(mv:ミリボルト)」があります。この数値がプラスなら酸化力が高く、マイナスなら還元力に優れていることを表します。

「 酸化還元電位」とは、その物質が他の物質を酸化しやすい状態にあるのか、還元しやすい状態にあるのかを表す度合いともいえます。この値がプラスで大きければ酸化力が強く、マイナスで大きければ還元力が強いということになります。
水の「酸化還元電位」とは、還元体(水素)の活量と酸化体(酸素)の活量比のことです。ORP値が低いほど還元力が強く、活性水素量(マイナスイオン)が豊富で健康に良いとされ、 ORP値が高いほど酸化力が強く、健康に良いといわれません。
活性水素(マイナスイオン)は空気と熱により空気中に抜け出てしまい、あまり保存が効かないため、自然の水などを取り寄せても取水後の時間経過により殆どORPがプラスに振れてしまい(酸化傾向となり)ます。
人間の体液、臓器は、本来マイナス還元状態にあると言われております。

「酸化還元電位」が低いということは還元力が強い、すなわち抗酸化力があるということになります。化粧水や乳液などの液状化粧品に「酸化還元電位」の低い水をいれておくことにより、化粧品の他の抗酸化 成分(ビタミンCやポリフェノールなど)を無駄に酸化させないという工夫をした化粧品などもあります。
また、一般水を電気分解で還元し活性水素を生成する装置などもあり、電解還元水とか活性水素水などといわれております。

<さらに詳しく>
「酸化還元電位」とは、イオン化列(イオンになり易さ)におおよそ一致して並ぶ物質固有の量である。
古典的な化学では、物質が酸素と結びつくことを酸化(oxidation)といい、反対に酸素が奪われることを還元(reduction)と解釈していました。
例えば、金属マグネシウムが空気中で燃焼すること(A)は典型的な酸化の反応で、酸化銅が水素ガスに触れて金属銅になること(B)は典型的な還元の反応とされました。

2・Mg + O2 → 2・MgO ・・・(A)
CuO + H2 → Cu + H2O ・・・(B)

我々の生活環境では酸素がたくさんあるので、こういう解釈でも実用的にはまったく問題ないのですが、幅広い環境条件を扱う場合、これではいささか不都合になります。
そこで現代の化学では、物質が電子を失うことを酸化、電子が獲得することを還元というようになりました。
上の (A)式の反応では、左辺の金属マグネシウムは単体なので酸化数は(0)ですが、右辺では酸素と結ばれたので酸化数は(+2)になり電子を2個ぶんだけ失っています。その電子はどこにいったかというと、結ばれた酸素原子が単体(0)から酸化数(-2)のO2-になることに使われたのです。
酸素の側から見ると電子を獲得したことになるので、(A)式は酸素の還元反応と言い換えることもできます。
さて、水溶液に含まれる物質のあいだで酸化還元反応が起こるときには、水自体も電子のやりとりに加わって次のような状態変化を起こしていきます。 (C)は甚だしい酸化環境のとき水分子か電子を失って気体酸素が遊離する反応(酸化分解)で、(D)は甚だしい還元環境のとき水素イオンが電子を獲得して水素ガスが遊離する反応(還元分解)です。

2・H2O → O2 + 4・H+ + 4・e- ・・・・(C)
2・H+ + 2・e- → H2 ・・・・(D)

どちらの状態になっても水はもはや液体として存在できませんから、我々の周囲にある水は(C)(D)の中間のどこかにあります。ここでは電子(e-)の活発さが目安で、水溶液中で遊んでいる電子の量(電位)を測定することで水の酸化還元状態を示すことができます。この数値が「酸化還元電位(ORP)」となり、標準水素電極をゼロ基準とした電位(Eh)の正負で表されます(単位:VまたはmV)。Ehの数値がプラス側ほど水溶液は酸化状態で、マイナス側ほど還元状態になります。
また、その物質が酸化する物質(サビびやすい物質、サビさせる物質)か、還元する物質(サビを食い止める物質、サビた物を元に戻す物質)かを数値で表したものでもあります。
値がプラスであればあるほど酸化力が高く、マイナスであればあるほど還元力が強いということになります。
この数値より、サビを取り除く力の強弱などが判断できるといえます。

水素濃度
水素濃度の単位にはppm、ppb、pptなどがあります。これは量の単位ではなく、濃度や割合を示す単位です。
濃度を表す単位には、皆様がよくご存知のパーセント%という単位があります。パーセントという単位はppc、正確にはpart per centのことで、100分の1を表します。
ppm、ppb、pptも同じことで、それぞれ part per millionは100万分の1、part per billionは10億分の1、part per trillionは1兆分の1の略です。